2020/7/21 投資用語 オイルショック oil shock
2020/7/21 投資用語 オイルショック oil shock
1970年代に二度発生した、原油の供給逼迫および原油価格高騰と、それによる世界の経済混乱である。
第一次オイルショック
1973年10月6日第四次中東戦争が始まった。
10月16日石油輸出国機構(OPEC)加盟産油国のうちペルシヤ湾岸の6か国が、原油公示価格を1バレル3.01ドルから5.12ドルへ70%引き上げることを発表した。
10月17日アラブ石油輸出国機構(OAPEC)が原油生産の段階的削減(石油戦略)を決定した。
10月20日以降OAPECがイスラエルが占領地から撤退するまでイスラエル支持国(アメリカやオランダなど)への経済制裁(石油禁輸)を相次いで決定した。
12月23日ペルシヤ湾岸の産油6か国が1974年1月より原油価格を5.12ドルから11.65ドルへ引き上げることを決定した。
影響を受けた象徴的な出来事
世界
1.アメリカをはじめとする先進工業国諸国が大きな打撃を受けた。アメリカによる世界秩序が変わり、米ソに大国を軸とした冷戦構造が転換する一つのきっかけとなった。
2.石油戦略という資源ナショナリズムを全面的に打ち出した姿勢は社会主義路線による統一を目指すそれまでの姿勢の終わりを告げた。資本主義かが顕著になっていき、イスラーム原理主義が台頭した。
日本
1.高度経済成長→低成長期
2.トイレットペーパー騒動・洗剤パニック
3.親イスラエル国と見なされ石油禁輸リストに載った→田中角栄内閣が大打撃を受けた→二階堂官房長官の談話(イスラエル軍の占領地からの撤退とパレスチナ人の人権への配慮を声明した)→12月に三木武夫副総理を特使としてアラブ諸国に派遣し、禁輸リストからの除外を要請した→除外された
4.インフレーションの加速/国民生活安定緊急措置法/石油需給適正化法/国債の大量発行/省エネブーム(デパートのエスカレーターの運転中止、ガソリンスタンドの日曜休業、テレビの深夜放送停止など)
第二次オイルショック
1978年年末OPECが1979年より原油価格を4段階に分けて計14.5%値上げすると発表した。(ただし、4段階目は総会での合意が形成できず、実際には3段階の値上がりになった。)
1979年イラン革命が起き、イランでの石油生産が中断した。
しかし、第一次での学習効果、省エネ制作の浸透、早急な金融引き締め政策、中断自体が長引かなかったことなどにより、第一次ほど影響は受けなかった。
主な影響:世界経済の一層の減速
参考文献:
2.https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/history4shouwa2.html
3.https://www.y-history.net/appendix/wh1604-038.html
4.https://www.weblio.jp/content/%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF
5.https://kotobank.jp/word/%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF-216687